初夏の時期になるとお店に並ぶようになるすもも。
甘い香りとジューシーな味わいが人気な果物ですよね。
わが家でも毎年、デザートとしておいしくいただいています。
でも、すももってプラムやプルーンと見た目がすごく似ています。
なぜ呼び名が違うのか、違いがどこなのか分からない方が多いんじゃないでしょうか?
そこで今回の記事では、プルーンとプラムとすももの違いについて、3つのポイントを中心にご紹介します。
- プルーン、プラム、すももの違いは何?見た目や味、原産地を比較
- プルーン、プラムの栄養価を比較。食物繊維やビタミンが多いのはどれ?
- プルーン、プラムにはどんな効果・効能があるの?
Contents
プルーン、プラム、すももの違いは何?
実は「プルーン」も「プラム」もすももの一種で、同じバラ科の果物類なんです。
では、どうして呼び名が違うのかについてみていきましょう。
大きく分けると、すももには「日本すもも」と「西洋すもも」(ヨーロッパすもも)があります。
一般的に、すももとはこの「日本すもも」のことを指しているんです。
日本で生食される”すもも”は、別名「プラム」と呼ばれています。
アメリカで品種改良した日本すももが現在の「プラム」となりました。
一方、西洋すももは「プルーン」と呼ばれ、欧米では主にドライフルーツとして利用されてきました。
そのため、海外ではドライフルーツ専用の品種「ドメスチカスモモ」をプルーンと呼んでいます。
日本すもも | 西洋すもも | |
呼び名 | 「すもも」または「プラム」 (プラムはアメリカで品種改良したすもものこと) | プルーン (「ドメスチカスモモ」全体をプルーンと呼ぶ) |
主な品種 | 大石早生・ソルダム・太陽・サンタローザ | サンプルーン・シュガー・スタンレイ |
見た目 | ・外皮は赤色または緑色 ・丸みを帯びた桃の形 | ・紫色の外皮で楕円形の形 ・プラムよりも小ぶり |
味 | ・甘酸っぱい味 ・収穫したては特に酸味が強い | ・酸味が少なく甘みが強い |
原産地 | 中国 | コーカサス地方 |
日本ではドライフルーツ用の西洋すもも品種全般をプルーンと呼んでいるようです。
健康や美容食品として女性に人気の高いプルーンは、西洋すももの一種なんです。
このように、一般的には日本すももを「プラム」、西洋すももを「プルーン」と呼び分けています。
プラムは甘酸っぱい味が特徴です。
収穫したては特に酸味が強いため、常温で1週間おいて酸味を和らげてから食べます。
逆に、プルーンはむしろ酸味が少く甘みが強いことが特徴なんです。
生の場合、皮にしわができて完熟してから食べます。
同じすももでも、原産地が違うプラムとプルーンでは味わいがかなり違うんですね。
(日本すもも)プラムの品種を比較表を使って紹介
プラムにもいろいろ品種があります。
その中で、国内の栽培面積が多いプラムの品種「トップ3」の特徴をまとめました。
この3品種だけで国内栽培の約50%を占めているんです。
大石早生 (おおいしわせ) | ソルダム | 太陽 | |
画像:写真AC | 画像:写真AC | 画像引用:塩谷 すもも.キウイ農園 | |
栽培面積順位 | 1位 | 2位 | 3位 |
収穫時期 | 6月頃 | 7月頃 | 8月上旬~下旬 |
主な産地 | 和歌山県、山梨県 | 山梨県、和歌山県 | 山梨県、長野県 |
特徴 | 少し尖った桃の形 完熟すると皮は真っ赤で果肉は黄色になる 適度な甘酸っぱさ | 少し大きめのサイズ 果皮が緑色、果肉は赤 完熟すると濃厚な紅色になる 調和の取れた甘みと酸味 | ソルダムよりも大き目のサイズ 果皮は黒っぽいが、果肉は乳白色。果汁が多い 糖度が高めで完熟すると酸味が抜けて甘みが強くなる |
「大石早生(おおいしわせ)」は栽培が簡単なことから一番多く栽培されています。
続いて、大石早生と受粉相性が良い「ソルダム」と「太陽」が2位、3位となっています。
プラムの土台となった大石早生が一番の代表品種といえるでしょう。
(西洋すもも)プルーンの品種を比較表を使って紹介
続いて、西洋すももの「プルーン」の品種について見ていきましょう。
こちらでも国内の栽培面積が多いプルーンの品種「トップ3」の特徴をまとめました。
プラムと同じく、この3品種だけで国内栽培の50%を占めています。
サンプルーン | シュガー | スタンレイ | |
画像引用:町民キッチン | 画像引用:nae-ya | 画像引用:楽天市場 | |
栽培面積順位 | 1位 | 2位 | 3位 |
収穫時期 | 9月中旬 | 8月中旬 | 8月下旬~9月下旬 |
主な産地 | 長野県 | 青森県 | 長野県 (アメリカから導入) |
特徴 | 果実はややこぶりの長楕円形 果皮が濃い紫色、果肉は黄褐色 甘みが強いが酸味も適度にありバランスがよい | 果実はややこぶりの楕円形 果皮は赤みがかった紫色で、完熟すると濃い紫になる 果肉は黄褐色 名前のとおりとても甘く酸味が少ない | 果実はこぶりの楕円形 果皮は果粉で白く覆われているが、濃紫色をしている 果肉は黄緑もしくは淡い黄色 果汁が多くほど良い甘みがある |
一番多く栽培されている「サンプルーン」は日本で誕生しました。
そのため、酸味と甘みのバランスが良く日本人好みの味のようですね。
「シュガー」はその名のとおり、スイカやメロン並みの甘さが強いプルーンです。
古くから日本にあったシュガーを交配して作ったのが「サンプルーン」と言われています。
「スタンレイ」はアメリカ生まれのプルーンで日本でも栽培されるようになりました。
これら3つの品種は、プルーンの中でも生食やジャムなどに向いています。
やはり、日本ではプルーンも生食が好まれるようですね。
プラムとプルーンの栄養価を比較
プラムとプルーンの栄養価について比較してみました。
※可食部100gあたりの栄養価
プラム(生) | プルーン(生) | プルーン (ドライフルーツ) | |
エネルギー | 44kcal | 49kcal | 235kcal |
水 分 | 88.6g | 86.2g | 33.3g |
脂 質 | 1.0g | 0.1g | 0.2g |
炭水化物 | 9.4g | 12.6g | 62.4g |
食物繊維 | 1.6g | 1.9g | 7.2g |
ナトリウム | 1mg | 1mg | 1mg |
カリウム | 150mg | 220mg | 480mg |
カルシウム | 5mg | 6mg | 39mg |
鉄 | 0.2mg | 0.2mg | 1.0mg |
β-カロテン | 79μg | 480μg | 1300ug |
ビタミンB1 | 0.02mg | 0.03mg | 0.07mg |
ビタミンB2 | 0.02mg | 0.03mg | 0.07mg |
ビタミンB6 | 0.04mg | 0.06mg | 0.34mg |
ビタミンC | 4mg | 4mg | 0mg |
ビタミンE | 0.6mg | 1.3mg | 1.5mg |
葉酸 | 37μg | 35μg | 3μg |
参照:七訂日本食品標準成分表
この表から、プルーンは全体的に栄養価が高いことが分かりますね。
特にドライプルーンは食物繊維、β-カロテン、ビタミン類が豊富に含まれています。
ただし、ドライプルーンはカロリーが多いので食べ過ぎには注意しましょう。
こちらの記事でドライフルーツのメリット・デメリットをご紹介していますので、知りたい方はご覧ください。
ドライフルーツのメリット・デメリットって?ドライフルーツがもっと好きになる食べ方
なお、栄養価の高さではプルーンに負けますが、プラムには葉酸(ようさん)が豊富に含まれています。
葉酸は赤血球や細胞の生産を助ける働きをする栄養素です。
貧血の人や妊娠した女性に特におすすめです。
プラムやプルーンの効果・効能
すもも(プラムやプルーン)には、次のようなたくさんの効果効能があるんです。
- クエン酸やリンゴ酸による疲労回復や新陳代謝を高める
- 食物繊維の整腸作用による便秘解消や便秘予防
- カリウムによる血圧の安定とむくみの予防・改善
- 葉酸により赤ちゃんの発育を促進
- クエン酸による肝臓病の予防や日焼け防止対策
また、ドライプルーンに多く含まれるカロテンや食物繊維は強い抗酸化作用があります。
そのため、プルーンはアンチエイジング効果のある「ミラクルフルーツ」といわれています。
ドライプルーンはいつでも手に入るので、日頃から常備しておきたいものですね。
美味しいすももの選び方
ここでは、おいしいすもも(プラムとプルーン)を見分けるポイントをご紹介しますね。
おいしいすももの見分け方
色と形 | 完熟のサイン | |
プラム | 縦の切れ込みに対して左右対称で傷がない。 表面に「ブルーム」がたくさん付いている。 | 甘い香りがする。 ヘタの周りにシワができる。 |
プルーン | 軸つきの場合、軸が緑色で新しい。 傷が無く表面がブルームで真っ白におおわれている。 | 独特な香りがする。 軸の周りや中間、あるいは全体的に果皮にシワがある。 |
新鮮なプラムやプルーンには「ブルーム」という白い粉が果皮表面にたくさんついています。
「農薬」ではありませんのでご安心ください。
ブルームにはすももを菌や酸化から守る効果もあるのです。
また、すももは完熟するにつれて表面にシワが入ります。
甘みが強いのが好きな場合はシワをチェックしてくださいね。
とはいえ、酸っぱいすももをうっかり買っちゃったなんてことがあるかもしれません。
そんな時は、室温または冷蔵庫で2~3日追熟し酸味が抜けてから食べましょう。
ただしプルーンの場合、追熟できない品種があるので注意してくださいね。
まとめ
今回は、プルーン、プラム、すももの違いをテーマにご紹介してきました。
すももの一種であるプルーンもプラムも、呼び名や見た目・味・栄養価に違いがあることが分かりました。
さらに、すももは美味しいだけではなく、健康や美容への効果・効能が期待できる果物です。
お店に出回る季節になったら毎日の食卓に取り入れてみてくださいね。
おいしい完熟したすももを楽しみましょう♪
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