りんごと青りんごって何が違うのでしょう?
スーパーに並ぶ様々な品種のりんごたち。
「赤い種類が多いから、いつも何となく赤いりんごを買っている」
「青いのは酸っぱいのかな?」
何となく選んでしまいがちですよね。
買って食べてみて、「あぁ、こんな味だったのね」ということも多いかもしれません。
りんごの色を理解すると、味や食感の違いなどが見えてくるのをご存知ですか?
そう、りんごの色の違いには意味があったのです。
今回は、毎日のようにりんごを食べている私から、選ぶのがもっと楽しくなってしまうような知識をお伝えします!
Contents
赤いりんごと青いりんご
日本では「りんご」といえばお馴染みの赤いりんごを指すことが多いですね。
りんごの中でも、青いものは特に「青りんご」と呼ばれます。青りんごとは、りんごを未熟なまだ青い状態で収穫したもの、もしくは、熟しても青いままのものを言います。
夏に収穫される早摘みのりんご「早生(わせ)種」は、青色が特に強いです。
秋に収穫されるものは、青りんごといっても黄色が強くなる傾向があるんですよ。
りんごの色の違いは、色素のバランス
りんごの色は、含まれる色素のバランスによって決まります。
その色素を構成するのは、主に次の3つです。
- クロロフィル(緑色)
- カロチノイド(黄色)
- アントシアニン(赤色)
では、それぞれの色素について詳しく見ていきましょう。
夏の太陽の光が作る緑色、クロロフィル
クロロフィルは光合成に必要な色素で、光を浴びて糖を生成します。
葉っぱに豊富に含まれますが、夏の光を浴びると果実の中にも多くなります。
クロロフィルが増えると、皮の色が濁るなど姿はあまりきれいではありませんが、甘味の強いりんごになります。
秋になり、光の量や温度が下がるとクロロフィルはなくなっていき、りんごの緑色は退色します。
優しい秋の黄色、カロチノイド
緑色が退色し、赤色が出ないものは、カロチノイドの黄色が表れます。
紅葉で、葉が緑から黄色に変わるのと同じ原理です。
赤色が出るかどうかは、品種による場合と、気温や光の条件による場合があります。
爽やかな秋晴れが作る赤色、アントシアニン
アントシアニンは秋になって気温が下がってきてから光を浴びることで生成され、赤いりんごの色となって表れます。
きれいな赤い色にするためには夏の間は果実に袋をかぶせます。
袋をかぶせることで、病害虫を防いだり、貯蔵性が高まるというメリットもあります。
タイミングを見て袋を外し、秋の光を浴びせます。
まんべんなく光を当てるためには、光を遮る葉を摘み取ったり、反射シートを敷いたり・・・
きれいな赤いりんごには農家さんの手間と愛情がたっぷりかけられているのですね。
例えば「サンむつ」「サンつがる」「サンふじ」などがあります。
「サン」のつくりんごは、いずれも甘みは強くなりますが、貯蔵性は劣ります。
赤い色をしたものも緑がかった色になる特徴があります。
りんごと青りんごの味や食感の違い
スーパーには多種多様なりんごが並びますが、見ただけで好みの味や食感を持つりんごが分かったらいいですよね。
味や食感の特徴というのは品種によりますが、その中でも色によって傾向があります。
赤いりんごはお馴染みのりんごのイメージ
日本で生産No.1品種の「ふじ」を始め、スーパーなどでも最もお馴染みだと思います。
赤いりんごは程よい酸味と甘みのバランスが魅力です。
食感はシャキシャキとしており、ジューシーで味の濃いものが多いです。
日本人にとっては、この味を最もりんごらしく感じるかもしれませんね。
青いりんごはすっきり爽やか
青りんごの中でも、早生(わせ)の青いものは酸味が強く甘さ控えめで爽やかな味。
香料にも使われる、青りんごフレーバーのイメージに近いでしょう。
パキッとした硬めの食感ですが、食べ頃は短くすぐ柔らかくなってしまいます。
黄色いりんごは優しい味
秋の黄色味の強いものは酸味が優しく、コクのある甘味のものが多いです。
赤りんごや青りんごより比較的食感が軽め。
食べやすいのでお子様にもおすすめです。
りんごと青りんご、成分の違いは?
りんごの色で栄養価って変わるの?
こんな疑問が出てくるかもしれません。
色によって栄養成分や効果に特筆すべき違いはありません。
皮の近くに有用な成分が多く含まれるため、皮ごと食べるのがおすすめです。
りんごに含まれる様々な成分の中でも、ぜひご紹介させていただきたい成分があります。
注目の成分プロシアニジン
高い抗酸化力を持ち、脂肪の燃焼を促進し、蓄積を抑えるなどの効果が期待されているのがりんごに豊富に含まれるプロシアニジン。
未熟なものの方が熟したりんごより、プロシアニジンという成分が多く含まれています。そのため、青い色のりんごは赤いものより「プロシアニジン」が多いという誤解もあるようですが、実際はそうとは言えません。
品種でいえば「ふじ」と「王林」はやや多く含まれています。
とはいっても、プロシアニジンはりんごポリフェノールの約6割を占め、どのりんごにも豊富に含まれるものです。
りんごポリフェノールとは、りんごに含まれる様々なポリフェノールを総称して呼ぶもの。
りんごポリフェノール中のプロシアニジンの割合は以下をご参考ください。
ですから、お好きなりんごを美味しく継続して食べることの方が大切だと言えます。
プロシアニジンは熱に強くない成分であるため、この成分を活かすためには生で切りたてを食べるのが良いでしょう。
加熱することで活きてくる成分もあるため、生食じゃないといけないという訳ではありません。
例えば、整腸作用のあるペクチンは加熱により活性が高まり効果が得られやすくなります。
たまには煮たり焼いたり、様々な味覚を楽しんでくださいね!
気になるりんごのカロリー
りんごのカロリーは色によって違いはありません。
だいたい100gあたり50kcal程度です。
中くらいのりんごで250〜300gくらい、つまり125〜150kcalくらいですので目安にしてください。
りんごを使ったおすすめレシピ
りんごはそのまま食べても美味しいですが、料理に使うと楽しみの幅が広がりますね。
ここで、りんごが主役の簡単なレシピを3つご紹介します。
- 青りんごとセロリのマリネ
- ブレンダーで簡単!甘酒と生姜のスムージー
- フランスの林檎ケーキ ガトーインビジブル
青りんごとセロリのマリネ
爽やかさと甘みが広がる、スパークリングワインにぴったり。
おしゃれな洋風おつまみとしておすすめの一品です。
>>青りんごとセロリのマリネの作り方をELLE gourmetで見てみる
ブレンダーで簡単!甘酒と生姜のスムージー
毎日の腸活にこんなスムージーはいかがでしょう。
お好みでバランスを変えたり、ホットにするなどアレンジも可。
生姜がきいていて、冷えやすい方にもおすすめのスムージーです。
>>ブレンダーで簡単!甘酒と生姜のスムージーの作り方をRakutenレシピで見てみる
フランスの林檎ケーキ ガトーインビジブル
りんごをミルフィーユのように楽しめる、フランス発のお菓子。
りんごをたっぷり使っているので後味さっぱりです。
特別感があるのにレシピはシンプルですので、是非お試しくださいね。
フランスの林檎ケーキ ガトーインビジブル by dupree
まとめ
今回は、りんごの色の違いについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょう?
りんごの色を理解すると、そのりんごがどんな育ち方をしてきたのか、農家さんがどんな愛情をかけたのか・・・
手に取ったときにいろいろなイメージが湧き、選ぶのが楽しくなってくるのではないでしょうか。
この記事を読むことで、ますますりんごを好きになっていただけたら嬉しいです。
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