ほうれん草について、どのくらい知っていますか?
「鉄分が多くて、貧血にいいんだよね」
たしかにそうです。でもそれだけじゃありません!
実はほうれん草って、いろんな栄養素がバランスよく含まれた万能野菜なんです。
そこで今回は
- ほうれん草って何者?
- ほうれん草っていつが旬なのか
- ほうれん草の効果・効能【栄養価】
- ほうれん草はどう食べると効果が高いの?
といったことを紹介します。
この記事を最後まで読んだら、ほうれん草がどんなに体にいい野菜かお分かりいただけるはず。
毎日のご飯作りに、ほうれん草をたくさん登場させたくなると思いますよ!
Contents
栄養と効果・効能の前に・・・ほうれん草って何者?
ほうれん草は「緑黄色野菜」というカテゴリーに入ります。
「緑黄色野菜ってなんだっけ?」という方、これから説明してきますね。
他にも下記のようなことを交えながら、ほうれん草について紹介していきます。
- 緑黄色野菜ってなんだっけ?
- ほうれん草ってどこの食べ物?
- ほうれん草の旬っていつ?
- ほうれん草と小松菜の違いは?
緑黄色野菜ってなんだっけ?
緑黄色野菜は厚生労働省の基準では、下記を満たした野菜になります。
「原則として可食部100g当たりカロテン含量が600µg(マイクログラム)以上の野菜」
引用:厚生労働省
カロテンとか成分で言われても、あまりピンときませんね。
ざっくり見た目の話で言うと、外側も内側も濃い野菜が緑黄色野菜です。
例えば下記のようになります。
緑黄色野菜
- ほうれん草
- かぼちゃ
- ブロッコリー など
緑黄色野菜じゃないもの
- きゅうり
- ナス
- さつまいも など
ほうれん草の歴史
実はほうれん草って、日本の野菜じゃないんです。
日本から飛行機で14時間、カスピ海南西部のあたりが発祥と言われています。
\カスピ海はここ/
ずいぶん遠くから来たものですね。
シルクロードを通って中国経由で来たので、「ほうれん草」という言葉も中国語からきてたりします。
ホウレンソウの「ホウレン」とは中国の唐代に「頗稜(ホリン)国」(現在のネパール、もしくはペルシアを指す)から伝えられた事による。後に改字して「菠薐(ホリン)」となり、日本では転訛して「ホウレン」となった。
引用:Wikipedia
ほうれん草の旬っていつ?
ほうれん草の旬は11月〜1月ごろです。
今は日本の色々な地域で栽培しているので、意外と年中食べれたりします。
でも、旬の時期は価格が安くて栄養価が一番高くなるので積極的に食べたいですね。
ちなみに旬の冬にだけ出回る「ちぢみほうれん草」というものもありますよ!
【冬季限定】ちぢみほうれん草
冬になると、スーパーでたまに見かける「ちぢみほうれん草」。
普通のほうれん草よりちょっと葉がくしゅくしゅっとなっていますよね。
ちぢみほうれん草には、こんな特徴があります。
- じつは品種は同じ
- 雪にくぐらせ「寒締め」する
- 通常より甘い
- 栄養が凝縮されている
- ちぢんでるので洗うのが少し大変かも
ちぢみほうれん草は少し洗いづらいのが難点ですが、甘みがあり栄養価も高いので冬の食卓にはぜひ取り入れてほしい食材です。
私も冬になると、ちぢみほうれん草を胡麻和えにしたりして食べたりしています。
甘みが強くて、すりごまと醤油だけでも美味しくいただけちゃうんですよ。
小松菜との違い
よく似た野菜、小松菜との違いについては下記で説明しています!
ほうれん草の効能って?【栄養価】
ではほうれん草は、どれだけ栄養価が高いのでしょうか。
1回で食べられる量100g(1/3束ほど)で計算すると、このぐらい栄養素が含まれています。
- 鉄分 2mg
- ビタミンC 35mg
- βカロテン 4200μg
- ビタミンB1 0.11mg
- 葉酸 210μg
- カリウム 690mg
- マグネシウム 69mg
- マンガン 0.32mg
ほうれん草の栄養価だけ聞いても「ふーん」という印象ですね・・。
これがどれだけすごいか、1日の摂取目安量や栄養素の効能を見ていきましょう。
鉄分
鉄分は体の血をつくる大切な栄養素。
鉄分が足りなくなると、体に栄養がいき届かず貧血や疲れやすくなってしまいます。
- (女性)鉄分の1日の摂取量目安 10.5mg
- ほうれん草の鉄分 2mg
実は野菜の鉄分って、吸収率があまり良くありません。
でもほうれん草は、鉄分の吸収を助けるビタミンCも含まれてるので、他の野菜より効率よく吸収できるんです。
鉄分の効能
- 貧血予防
- 疲れやすさ解消
この効能を見ても、日々の生活を快適に過ごすためには鉄分は大事な栄養素だということがわかりますね。
ビタミンC
ビタミンC20mgというのは、だいたいレモン1個分ぐらいの量になります。
ビタミンCの1日の摂取量目安で考えると、ほうれん草だけでビタミンCを1/5、冬だと半分以上を摂取できることになりますね。
これは冬にほうれん草を食べない理由がないですね!
- ビタミンCの1日の摂取量目安 100mg
- (夏)ほうれん草のビタミンC 20mg
- (冬)ほうれん草のビタミンC 60mg
ビタミンCは鉄分の吸収を助けます。
両方含まれているほうれん草は、栄養の吸収率が高くて効率的!
ビタミンCの効能
- がん予防
- 動脈硬化予防
- シミ・そばかす予防
- 風邪予防
ビタミンCは抗酸化作用があるため、体の老化を抑えることができるんですね。
βカロテン
βカロテンは、体に入ると必要な分だけビタミンAに変換される栄養素です。
βカロテンというと、にんじんが思いつく人も多いのではないでしょうか。
ほうれん草も、にんじんには負けますがなかなかの含有量です。
- 人参のβカロテン 9100μg
- ほうれん草のβカロテン 4200μg
- かぼちゃのβカロテン 4000μg
- 小松菜のβカロテン 3100μg
βカロテン(ビタミンA)の効能
- がん予防
- 目のお疲れ改善
- 発育促進
- アンチエイジング効果
βカロテン(ビタミンA)は、目の機能や皮膚の粘膜などを作る材料になる栄養素です。
なので、子供の発育や大人のアンチエイジングなどとも関係が深いんですね。
ビタミンB1
ビタミンB1といえば、豚肉やうなぎなどで有名な栄養素ですね。
ビタミンB1はほうれん草でも摂取することができるんですよ。
- (女性)ビタミンB1の1日の摂取量目安 1.1mg
- うなぎのビタミンB1 0.75mg
- 豚もも肉のビタミンB1 0.66mg
- ほうれん草のビタミンB1 0.11mg
ビタミンB1は定期的に体から出て行ってしまう水溶性ビタミン。
いつもの食事で習慣的にとるなら、うなぎよりもほうれん草という選択肢になるのでは?
ビタミンB1の効能
- 疲労回復
- 糖質の代謝をサポート
ビタミンB1は、夏バテや食べ過ぎた時のダイエットのお供としても良いですね。
カリウム
カリウムは、体の塩分の量を調整してくれる栄養素です。
女性にとっては、むくみ解消の心強い味方ですね!
- (女性)カリウムの1日の摂取量目安 2000mg
- ほうれん草(生)のカリウム 690mg
- さつまいも 390mg
- バナナ 360mg
よく「むくみにはバナナが効く」と言われますが、実はほうれん草の方がカリウムの含有量が多いんですよ。
カリウムの効能
- 高血圧予防
- 脳卒中予防
- むくみ解消
高血圧や脳卒中の予防になるのは、カリウムが体の塩分量を調整し血圧を下げてくれるからです。
現代人は塩分が多い食事になりがちなので、積極的にとりたい栄養素ですね。
葉酸
妊娠を希望されている方などには良く知られている葉酸。
葉酸は、赤ちゃんの神経系の発達にとても大切な栄養素ですね。
実は葉酸は、ほうれん草にもたくさん含まれています。
- 葉酸の1日の摂取量目安 240μg
- (妊婦)葉酸の1日の摂取量目安 480μg
- 鳥レバーの葉酸 1300μg
- (生)ほうれん草の葉酸 210μg
- 納豆の葉酸 120μg
含有量だけ見るとレバーなどがダントツなのですが、葉酸は水溶性ビタミンになります。
体から出て行ってしまうことを考えると、野菜で定期的に取るほうが効率的ですね。
葉酸の効能
- 認知症予防
- 動脈強化予防
- 胎児の発達促進
葉酸は妊婦さんには有名ですが、実は健康効果も期待されています。
まだ研究段階だそうですが、認知症や動脈硬化の元となる「活性酸素」を減らす効果が出ているようです。
引用:NHK ガッテン
マグネシウム
マグネシウムは、カルシウムと一緒に骨などを作ったり、体の燃焼を助けたりするミネラルです。
この意外と大事なマグネシウム、ほうれん草にも1日の必要量の約1/4含まれています。
- (女性)マグネシウムの1日の摂取量目安 290mg
- ほうれん草のマグネシウム 69mg
- バナナのマグネシウム 39mg
マグネシウムの効能
- ストレス・うつ改善
- 高血圧予防
- 骨そしょう症予防
- ダイエット効果
マグネシウムは幸福感を感じる「セロトニン」を作る材料になります。
なので、ストレスなどを和らげてくれる効果があるそう!
また、体のエネルギーを作るお手伝いもしているため、ダイエット中の人にもオススメです。
マンガン
マンガンはマグネシウムと同じく、骨や皮膚を作るために必要なミネラルです。
マンガンは土の中にあるため、野菜や豆類などに多く含まれています。
- (女性)マンガンの1日の摂取量目安 3.5mg
- ほうれん草のマンガン 0.32mg
マンガンは色々な食材に含まれているので、不足することはあまりないと言われています。
ですが外食が多めなど、野菜を食べる機会が少ない人は意識的に取るようにしたい栄養素ですね!
マンガンの効能
- 骨そしょう症予防
- 成長促進効果
- 糖尿病予防
- ダイエット効果
- 動脈硬化予防
マンガンは、骨を強くしたり消化のサポートをしてくれます。
また抗酸化作用があるため、動脈硬化予防にも役立ちます。
では、ここまでほうれん草の栄養素を見てきました。
ここからは、ほうれん草の栄養素を最大限に生かす効果的な食べ方を見ていきましょう。
ほうれん草の栄養を効果的にとれる食べ方
ほうれん草は下記のような方法で食べると、とても効率的に栄養をとることができます。
- 生で食べる
- 油分と合わせて食べる
- 冬に食べる
- 根の赤い部分も食べる
もちろん、
「生で食べるのはちょっと・・」
「夏も食べたいんだけど」
など個人の好みの問題などもありますので、全部を守る必要はありませんよ。
生で食べる
ほうれん草の栄養素は、水溶性のものが多いんです。
つまり、ほうれん草は茹でると栄養素は減ってしまうというデメリットが・・・。
「生のほうれん草に毒性がある」という話もありますが、異常なくらい食べすぎなければOK。
生で食べるのはとても効率のいい方法なんです。
生で食べるなら、グリーンスムージーなど少し加工すると食べやすいですよ!
油分と合わせて食べる
ほうれん草の栄養素であるβカロテンは、油に溶けるビタミンです。
油やバターなど調理したり、脂質の多いものと一緒に食べるとβカロテンの吸収率がアップするのでオススメです。
油分と合わせる方法は3つ。
- 油やバターと炒める
- 卵など脂質の多いものと調理する
- ドレッシングで合える
冬に食べる
ほうれん草の栄養価は、冬が一番高いんです。
寒い時期のほうれん草はビタミンCは3倍になるという嬉しいメリットも。
ほうれん草の味も凝縮されて一番甘くなる時期なので、ぜひ鍋などで一緒に食べてみてくださいね。
根の赤い部分も食べる
ほうれん草の根の部分が赤い(ピンク)のはなぜか知っていますか?
実は、ベタシアニンという強い抗酸化作用のあるポリフェノールが原因なんです。
また、根の部分は他にもマンガンや鉄分などが凝縮している場所なんですよ。
ほうれん草の赤い部分をなんとなく切ってしまっていた人は、次からはぜひ一緒に食べてくださいね。
色味や食感が気になるという人は、汁物などに入れてしまうとあまり気にならなくなるのでオススメです。
まとめ:ほうれん草を食べない理由が見つからない!
ここまで、ほうれん草の歴史からすごい効能・効果までご紹介してきました。
まとめると、
- ほうれん草は緑黄色野菜
- ほうれん草の旬は冬で、11月〜1月が一番栄養価が高い
- ほうれん草は、鉄分をはじめビタミン・ミネラルなどの栄養素が豊富
- ほうれん草の主な効能は、生活習慣病予防やアンチエイジング効果
- ほうれん草は生や油分と食べると効果的
やっぱりほうれん草ってすごい野菜でしたね!
ほうれん草は、旬は冬ですが季節問わず手に入るのも魅力です。
美味しく長期保存したい方はこちらの記事もどうぞ!
ほうれん草を使いたいけど今手元にない・・・!という方はこちらもどうぞ。
参考サイト
日本食品標準成分表2015年版(七訂) 追補2018年
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要
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