目に良い、目の疲れに良い食べ物って何を思い浮かべるでしょうか?
ブルーベリーが多いかも知れませんね。
目に良いという物質の一つにアントシアニンがありますが、
じつは、ブルーベリーよりも断然多くアントシアニンが含まれるベリー種があるのです。
そう、それがビルベリー。
ビルベリーもブルーベリーの一種ではありますが、
成育場所などの条件によって、アントシアニンがたくさん含まれるようになることが知られています。
また、生活習慣病の予防やアレルギーの軽減にも効果が認められるような研究結果もある、そんなビルベリーの栄養と効果・効能を詳しく見ていきましょう!
Contents
ビルベリーの特徴って?
ビルベリーはブルーベリーの一種ですが、
ブルーベリーよりも果実が小さく酸味が強いのが特徴です。
目に良いとされるアントシアニンがもっとも多く含まれるベリー種の一つです。
ビルベリーには、アントシアニンの量は、一般的なハイブッシュ系のブルーベリーの数倍!含まれます。
ビルベリーの野生種は北欧が中心で、成育地の緯度が高いほどアントシアニンの量が多いとされています。これは、白夜による紫外線など厳しい条件から身を守るために、色素であるアントシアニンの量が多くなると言われているんですよ。
ビルベリーの栄養成分は?
上で述べたアントシアニンなどの色素の他、ビルベリーに含まれる栄養素は以下となります。
ビルベリーの栄養成分表(100gあたり)
タンパク質 | 0.7g |
炭水化物 | 11.5g |
食物繊維 | 2.8g |
脂質 | 0.5g |
ビタミンC | 44mg |
チアミン | 0.03mg |
リソフラビン | 0.03mg |
ビタミンB6 | 0.06mg |
葉酸 | 6μg |
パントテン酸 | 0.16mg |
βカロテン | 13μg |
カルシウム | 15mg |
鉄 | 0.8mg |
マグネシウム | 7mg |
リン | 9mg |
カリウム | 103mg |
ナトリウム | 3mg |
亜鉛 | 0.1mg |
銅 | 0.11mg |
マンガン | 3.3mg |
クロム | 1μg |
参考:Foodofy
いろいろな栄養素がまんべんなく含まれているのがわかりますね!
ビルベリーの効果・効能は?
それではビルベリーの栄養の効果・効能を見ていきましょう。
効能は以下のポイントでお話します。
- 生活習慣病予防
- 眼精疲労の軽減
- アレルギーの軽減
- その他
生活習慣病予防
国立の研究所では、
ビルベリーのフラボノイドであるアントシアニジンが、糖尿病や高血圧性網膜症などによる網膜の病気を予防する効果があるとされているので、
生活習慣病の予防が期待できます 。
・糖尿病や高血圧性網膜症などによる網膜の病変に対し有効性が示唆されている 。これらの効果を示すための臨床研究では、ビルベリーのフラボノイドであるアントシアニジン複合体25%を含む組成のものが使用されている 。
参考:健康食品データベース
眼精疲労の軽減
アントシアニンの効果として、
パソコン等で目を酷使した人に対するビルベリーエキスの実験で、眼精疲労を減らす効果があることが認められています。
網膜にあるロドプシンが、目に入った光の像を脳に伝える信号の役割を担っていますが、
ビルベリーに含まれるアントシアニンが、そのロドプシンが作られることをサポートしていると言われています。
・VDT (visual display terminals:パソコン画面等の画像表示端末) 作業に従事している健康な男性10名 (32~50歳、試験群5名、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビルベリーの果皮・果実のエキス粉末120 mg/日を7日間摂取させたところ、眼精疲労による筋調節力 (アコモドグラム) の改善がみられたが、視力、屈折度、瞳孔機能、グレアテスト、動体視力、プリッカー値に影響は認められなかった。
参考:健康食品データベース
目に入った光の像を信号に変え脳に伝える役割を担っているのは、網膜にある「ロドプシン」というもの。通常目を使うと「ロドプシン」が分解され再生されますが、目を酷使していると再合成が追いつかなくなり、見えにくくなる・疲れるなどの自覚症状が出てきます。
ビルベリーに含まれるアントシアニンがこの網膜の構成色素である「ロドプシン」の再合成に大きく関与しています。
ちなみにビルベリーは「視力回復に良い」という話もよく聞きますが、その効果ははっきりと認められていません。
第二次世界大戦のイギリス空軍パイロットがビルベリーのジャムを毎日摂り続けた結果、「薄明かりでも物がよく見えた」と証言した有名なエピソードがあり、ヨーロッパでは医薬品としてのビルベリーの利用もあります。
しかし「視力回復」に関しては、国立の研究所では効果は認められていませんので、気をつけましょう!
アレルギーの軽減
アメリカの研究では、マウス実験段階ですが、ビルベリーのアントシアニンは慢性的なアレルギー皮膚炎のかゆみ軽減に効果的である可能性があります。
Anthocyanins from bilberry (Vaccinium myrtillus L.) alleviate pruritus in a mouse model of chronic allergic contact dermatitis
”ビルベリー(Vaccinium myrtillus L.)のアントシアニンは、マウスの慢性アレルギー性皮膚炎のかゆみを軽減します”
その他
アントシアニンは以下のように、発がん性物質を抑える効果についても、
研究が進められているようです。
最近の研究結果から、アントシアニンが抗酸化作用、抗腫瘍作用、さらには脂質代謝に影響を与えているという知見が報告されている。このことは、ワイン(特に赤ワイン)の産地であるフランスにおいて動脈硬化症が少ないことからも、臨床的有用性が示唆されている。
ビルベリーってどうやって食べるの?
ご紹介したように、ビルベリーは主に北欧での生育が主でして、実がブルーベリーに比べて柔らかく輸送も難しいようなので、日本では生で食べるのには適しません。
なので、
- ドリンクとして飲む
- サプリとして摂取する
- ジャムなどの加工品で食べる
こういった方法がメインになります。
ビルベリー以外にもすごいブルーベリー種がある?
ブルーベリー種の一つとして「ナツハゼ」というものがあります。
上でご紹介したベリー種のアントシアニン含量の比較では、ビルベリーをもはるかに超えるアントシアニンを含有する、すごいブルーベリー種がありましたね。
その「ナツハゼ」はなんと日本固有の稀少な和製ブルーベリーなんです!
ただ、これも皮が厚めで酸味が強く、生食には適しません。
ジャムやリキュールでの利用がおすすめです。
まとめ
ビルベリーの効果・効能について、いかがだったでしょうか?
- 生活習慣病予防
- 眼精疲労の軽減
- アレルギーの軽減
など、さまざまな効果・効能がありましたね。
また日本では実の生食は難しいので、ドリンクやサプリが中心となることもお話しました。
また、ビルベリーよりもアントシアニンが多い品種として、日本の品種「ナツハゼ」もご紹介しました。
生で食べるなら、実のまま食べるの適したブルーベリー、ジャムやリキュールなら日本で採れるナツハゼ、その他サプリやドリンクならビルベリー、などなど。
それぞれの特徴をふまえて賢く使い分けてみてください!
コメント